近年、CLTを含む木造建築物は、SDGsや脱炭素社会の実現に貢献するとして、建設が増加傾向にあるなど、注目を集めています。CLTは新しい建築材料であり、愛媛県CLT普及協議会は、CLTの特性や設計手法・施工手法に関する研修会などを開催してきました。
この度、建築基準法の改正もあり、木造化の志向はさらに高まると考えられますので、愛媛県の委託事業により、当協議会は、昨年度に引き続き、設計・建築に携わる実務者を対象とした体験型講習セミナーを開催しました。
第1回は、「木材の耐候性と塗装等による表面保護について」、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所の片岡 厚氏に解説していただきましたのでご覧ください。
令和4年度第1回CLT体験型講習セミナー資料 |
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第2回は、「木造建築物の結露のメカニズム及び具体的な対策方法について」、足利大学 工学部創生工学科の齋藤宏昭教授に解説していただきましたのでご覧ください。
令和4年度第2回CLT体験型講習セミナー資料 |
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演習_定常結露計算 |
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演習_定常結露計算解答 |
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南予森林組合事務所棟 施設見学会および講演会・パネルディスカッション
地球温暖化対策が世界的な重要課題となる中で、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等への木材の利用の促進に関する法律」が施行されており、当研修会では、 CLT を活用して竣工した南予森林組合事務所棟(令和3年度木材利用優良施設コンクール審査委員会特別賞を受賞)を事例として、木造化の考え方や取組について発表し、今後の中大規模建築の木造化、木材利用の方向性を協議・検討しましたのでご覧ください。
■研修会を始めるにあたり、南予森林組合事務所棟の建物と取組について
木構造振興株式会社 客員研究員 原田 浩司氏
■木造建築の可能性と意匠性の向上に関しての考え方について
株式会社SUEP. 代表取締役 末光 弘和氏
■木造の構造設計の考え方と留意すべき事項について
㈲金箱構造設計事務所代表取締役 金箱 温春氏
■設計、施工監理の当事者として
(元) 新企画設計株式会社 柳原 直和氏
■中大規模建築の木造化を推進するための課題を整理し、今後に取組むべき方向性を取りまとめる。
【パネラー】
末光 弘和 | 氏 | (株)SUEP. 代表取締役 |
金箱 温春 | 氏 | 金箱構造設計事務所 代表取締役 |
烏谷 陽一郎 | 氏 | (一社)愛媛県建築士事務所協会 副会長 /(株)連合企画設計 代表取締役 |
柳原 直和 | 氏 | (元)新企画設計株式会社 |
弘島 博正 | 氏 | (有)上弘 代表取締役社長 |
【コーディネーター】
原田 浩司 | 氏 | 木構造振興㈱ 客員研究員 |
愛媛県産のヒノキCLTを使用して令和4年3月に竣工した南予森林組合新事務所(愛媛県北宇和郡鬼北町)の設計に携わった3名の設計者らによるトークセッションの様子をご覧頂くことで、CLTをはじめとする木材利用の面白さや難しさ、木材という材料や木造建築に興味を持って頂ければ幸いです。
【司 会 者】 | |||
原田 浩司 | (はらだ こうじ) | 氏 | 木構造振興㈱ 客員研究員 |
【パネラー】 | |||
末光 弘和 | (すえみつ ひろかず) | 氏 | ㈱SUEP.代表取締役 |
金箱 温春 | (かねばこ よしはる) | 氏 | 金箱構造設計事務所 代表取締役 |
柳原 直和 | (やなぎはら なおかず) | 氏 | ㈱イシモト 専務取締役 |
愛媛県産のヒノキCLTを使用して令和4年3月に竣工した南予森林組合新事務所(愛媛県北宇和郡鬼北町)の木工事の状況を記録しました。
この建物は、CLTの新たな活用方法として、CLT連続円筒シェル構造屋根を採用し、性能を実証確認して建設されました。この連続円筒シェルは、地域の山並みを意匠しています。(詳細は、近日公開予定のパンフレット「CLT建築物の南予森林組合事務所棟について」をご覧ください。)
これまで木材利用が低位であった非住宅分野を中心とする建築物において、品質や性能が明確で構造計算が可能なJAS構造材を積極的に利用することで、JAS構造材の格付け実績を引き上げ、流通量を拡大する目的で実施された、JAS構造材個別実証支援事業(国補助事業)を活用して令和3年度に松山市内に建設されたYアパートの木工事の状況を記録しました。
この建物には、壁と床に約20㎥のCLTが使用されています。